高氏貴博『毎日パンダの15年』写真集出版記念会・写真展開幕式、東京で開催

10月15日、『毎日パンダの15年』写真集の出版記念会および写真展の開幕式が、東京多元文化会館で開催された。本写真集は、日本のパンダ写真家・高氏貴博氏が撮影し、株式会社アジア太平洋観光社が発行したもの。

10月15日、『毎日パンダの15年』写真集の出版記念会および写真展の開幕式が、東京多元文化会館で開催された。本写真集は、日本のパンダ写真家・高氏貴博氏が撮影し、株式会社アジア太平洋観光社が発行したもの。

イベントは株式会社アジア太平洋観光社が主催。日中友好会館中国代表理事の黄星原氏、中国駐東京観光代表処首席代表の欧陽安氏、日本パンダ保護協会会長の土居利光氏、日本の著名なモデル・テレビ司会者・作家でありパンダ大使でもあるHana氏、株式会社アジア太平洋観光社社長の劉莉生氏をはじめ、多くの来賓と日本のパンダファンが出席し、写真集の出版を祝った。

会場ではまず、日中友好会館中国代表理事の黄星原氏が挨拶。

黄氏は、高氏貴博氏が15年にわたり上野動物園のパンダ一家を追い続け、約1,500万枚の写真の中から311点を厳選したことを紹介した。作品には、リーリー、シンシン、シャンシャン、シャオシャオ、レイレイなど、パンダたちの成長の軌跡が記録されている。写真はパンダの愛らしい姿だけでなく、親子の情愛や、パンダが人々にもたらす温もりと感動も伝えている。

黄氏は、パンダは日中両国の民間交流における友好の象徴だと述べた。現在、日中関係はさまざまな困難に直面しているものの、温かな思いが込められた一枚一枚の写真は、人々の心をつなぎ、民間交流の重要性を改めて気づかせてくれるという。

今回の写真展が来場者に喜びと癒やしをもたらし、日中の民間交流を促進する小さな一歩となることへの期待も語った。

また、日中友好会館美術館では、同館と東京多元文化会館が共同開催するパンダ漆絵展も開催中で、11月8日まで続くことを紹介し、来賓に見学を呼びかけた。

続いて、中国駐東京観光代表処首席代表の欧陽安氏が祝辞を述べた。

欧陽氏は、高氏貴博氏が2011年から上野動物園のパンダを撮影し続け、リーリーとシンシンが上野にやって来たこと、シャンシャンが誕生したこと、そしてシャオシャオとレイレイが生まれたことなど、数々の重要な瞬間を見届けてきたと紹介した。

全190ページの写真集には、パンダ一家の成長の物語が収められ、かけがえのない生命の瞬間が数多く記録されている。

欧陽氏は、高氏氏が長年にわたってパンダの日常を撮影し、発信し続けてきたことは、日本の人々のパンダへの愛情を深めただけでなく、ジャイアントパンダの保護や野生動物保護への理解を広げるきっかけにもなったと評価した。

上野動物園や和歌山のアドベンチャーワールドのパンダたちが相次いで中国へ帰国した後も、高氏氏は中国を訪れてパンダたちに会い、中国での暮らしを日本の人々に伝え続けている。

パンダはすでに日中両国の人々を結ぶ重要な架け橋となっており、文化交流を促進するだけでなく、観光交流にもつながっていると述べた。

さらに、多くの日本人がパンダに会うことをきっかけに中国を訪れ、その自然の景観、長い歴史、豊かな文化に触れてほしいと期待を寄せた。「パンダに会いに行く旅」が、さらに「中国を知る旅」へと広がり、両国の人々の相互理解と友好が深まることを願っていると語った。

主催者を代表して、株式会社アジア太平洋観光社社長の劉莉生氏も挨拶した。

劉氏は、高氏貴博氏とパンダをテーマにさまざまな共同企画に取り組んできたことを振り返った。両者は2024年の雑誌『和華』のパンダ特集をはじめ、シャオシャオとレイレイの成長を記録した写真集の出版、パンダの誕生日を祝うイベント、パンダ写真コンテストなどに共同で取り組み、新たな協力の形を広げてきた。今年、高氏氏は株式会社アジア太平洋観光社が企画した四川パンダ旅行にも全行程参加。ツアー参加者とともに現地でシャンシャン、シャオシャオ、レイレイの誕生日を祝い、パンダたちとの再会の喜びを分かち合った。

こうした共同体験は参加者に忘れられない思い出を残した。そして、パンダは写真作品の主役であるだけでなく、地域や人々をつなぐ存在でもあることを示している。

劉氏は、今後も高氏氏との協力を続け、書籍の出版、写真展、さまざまなイベントを通じて、パンダがもたらす素晴らしい思い出と、人と人との温かな交流をより多くの人々に届けたいと述べた。こうした交流が積み重なり、将来パンダが再び日本にやって来るきっかけとなることにも期待を示した。

 

日本パンダ保護協会会長の土居利光氏は、写真を撮ることの意味という観点から自身の思いを語った。

土居氏は、高氏貴博氏が15年間にわたりパンダを撮影し続けてきたことに敬意を表した。写真家は目の前の光景を撮影するだけでなく、自分自身の好みや感情、価値観も作品に込めている。そして、写真を見る人も、それぞれの経験に基づいて異なる解釈をする。

撮影する人と見る人の間に生まれるこうした違いこそが写真の独特の魅力であり、写真が人と人とをつなぐコミュニケーションの媒介となる理由でもあると述べた。

高氏氏には今後もパンダを記録し続け、その作品をより多くの人々に届けてほしいと期待を寄せた。さまざまな国や地域の人々が写真を通じてそれぞれの思いを共有し、相互理解を深めることで、日中の民間友好交流に貢献してほしいと語った。

日本の著名なモデル、テレビ司会者、作家であり、パンダ大使でもあるはな氏も、高氏貴博氏に祝意を伝えた。

はな氏は、シャンシャンが1歳になった頃の雑誌取材をきっかけに高氏氏と知り合い、その後もパンダに関する情報を交換しながら交流を続けてきたと振り返った。

写真集をめくると、上野動物園でのさまざまな思い出がよみがえったという。まだ夜が明けないうちからパンダを見に出かけたことや、一緒にラジオ体操に参加したことなど、懐かしいエピソードを紹介した。

また、高氏氏と一緒に中国を訪れ、パンダたちに会った経験についても語った。今後も高氏氏が、人々に喜びと温もりを届ける作品を撮り続けてくれることを期待していると述べた。

高氏貴博氏が振り返る、上野のパンダ一家との15年間

来賓の挨拶が終わると、写真集の著者であり写真家の高氏貴博氏が登壇。スライドを使いながら、上野のパンダ一家とともに過ごした15年間を振り返った。

2011年8月14日、高氏氏は初めてリーリーとシンシンに出会った。リーリーの独特な体つきや、さまざまな寝姿に強く惹かれたという。それ以来、雪の中で餌を探す姿、カラスと交流する様子、桜の木の下で休む姿など、パンダたちの日常を記録し続けてきた。

なかでも印象深いのは、2018年の大雪の日に、リーリーとシンシンが雪の中で遊ぶ姿だったという。

2017年にシャンシャンが誕生すると、高氏氏はその成長も記録し始めた。母親のシンシンをまねる姿や、両親と触れ合う微笑ましい瞬間など、数多くの温かな場面を撮影した。

シャンシャンは活発で愛らしく、木の上で眠ることが好きだった。また、来園者と触れ合う様子もよく見られた。2021年に双子のシャオシャオとレイレイが誕生すると、高氏氏は2頭が幼い頃に仲良く寄り添って過ごす姿から、次第にそれぞれが自立していく過程までを記録した。

2024年9月末、高氏氏は四川省を訪れ、パンダたちに会った。

シャンシャンはとても人懐こく、自らガラスの近くに寄って来園者と交流する様子を見せた。シャオシャオは人との交流を好み、レイレイは比較的のんびりとした性格だったという。2頭とも広々とした飼育エリアで元気に暮らしていた。こうした写真を通して、高氏氏はパンダ一家の成長の物語と、中国へ帰国した後の暮らしの一端を来場者に伝えた。

質疑応答――パンダを撮り続ける日々

続く質疑応答では、来場者から「普段の仕事と、毎日動物園へ撮影に行くことを、どのように両立しているのか」という質問が寄せられた。

高氏氏は、主に朝と夕方の時間を使って撮影していると説明した。時には数時間並ぶこともあり、仕事の時間を柔軟に調整することもあるという。大変なことも多いが、パンダたちの成長を継続して記録できることを考えると、努力する価値は十分にあると語った。

また、中国へ帰国したパンダたちの暮らしについて尋ねられると、中国で訪問する際には比較的長い時間、近い距離から観察できることが多いと説明した。

日本の動物園では長時間並ぶ必要があり、観覧できる時間も比較的限られている。それに対して中国では、パンダたちの自然な行動や日常生活を、より深く知る機会が得られるという。

写真展の見学と交流会

イベント終了後、来賓とパンダファン全員で記念撮影を行った。

その後、一行は2階へ移動し、写真展を見学。高氏貴博氏が撮影したパンダの写真作品を間近で鑑賞した。

会場にはパンダ関連グッズの販売コーナーも設けられ、カプセルトイ、キーホルダー、写真集などが販売された。多くのパンダファンが足を止め、商品を選んでいた。

続いて、パンダファンたちは地下へ移動し、懇親会に参加した。

株式会社アジア太平洋観光社社長の劉莉生氏が乾杯の挨拶を行い、主催者は日本の寿司や中国料理を用意。来賓とパンダファンは和やかな雰囲気の中で交流を続け、パンダへの思いや、それぞれの体験を語り合った。

さらに主催者は、10月18日と10月22日に、東京多元文化会館2階で高氏貴博氏のトークショーを開催する予定だと発表した。各回の定員は20名で、申し込み後の抽選によって参加者を決定する。

パンダがつなぐ、人と人との交流

15年間にわたる写真記録から、日中両国をまたぐパンダ訪問の旅まで、今回のイベントは上野のパンダ一家の成長を振り返るとともに、写真、出版、観光、そして民間交流が互いにつながる可能性を示した。

主催者は今後も関係者と協力し、さまざまな活動を通じてパンダがもたらす感動を伝えていく方針だ。

パンダをきっかけに人々が互いを知り、交流を深めていけるよう、今後も取り組みを続けていくとしている。

 

 

 

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