けん玉と中国ゴマを人型ロボットで イマクリエイト、杭州で動作再現技術を紹介

けん玉とディアボロを備えた人型ロボットが並ぶイマクリエイトの展示ブース
WPAI 2026のイマクリエイト展示ブース。写真提供:イマクリエイト株式会社/PR TIMES。

中国・杭州の国際会議で、日本企業が人型ロボットG1の動作再現技術を紹介。熟練者の実演を記録する仕組み、自社検証の結果と導入条件、大阪での展示予定を整理する。

けん玉とディアボロを備えた人型ロボットが並ぶイマクリエイトの展示ブース
WPAI 2026のイマクリエイト展示ブース。写真提供:イマクリエイト株式会社/PR TIMES。

日本のけん玉と、中国で「空竹」として親しまれるディアボロ。その熟練した動きを、人型ロボットにどう伝えるのか。東京のイマクリエイトは10月21日、中国・杭州で開かれる「World Physical AI 2026 & Unitree Partner Ecosystem Conference」への出展を発表した。中国メーカーUnitree Roboticsの人型ロボット「G1」を使い、人の実演をもとに動きを繰り返す技術を紹介する。

会期は10月21~22日。日本企業が開発する動作再現ソフトウェアと中国製のロボットを組み合わせ、遊びの中にある手先の技やタイミングを展示する取り組みだ。発表された実績の数字は同社の検証結果として読み、会場での実演計画と区別して紹介する。

一度成功した動きを、再生して調整する

同社が10月19日に提供を始めたソフトウェアは、人が遠隔操作で成功させた動きを記録し、ロボットが再現する仕組み。まず基準になる動作をつくり、周囲の状況によって生じるずれを補正する。大量の動作を集めて一から学習させる方法とは異なる構成を採っているという。

機能は、記録を繰り返し実行する再生ツールと、記録した動きを整える調整ツールから成る。再生時には速度の上限を設定でき、動きのカクつきを補う。調整では不要なノイズや失敗した部分を取り除き、腕や片手だけを修正したり、速度や左右を変えた動きをつくったりできると説明する。

補正には画像認識を使い、基準動作との差に対応する「残差学習」を組み合わせる。このため、単なる録画の再生でも、AIをまったく使わない仕組みでもない。人の成功動作を土台にしながら、必要な部分に修正を加えるという考え方だ。どの程度補正したかを数値で把握できる点も、開発元が挙げる特徴である。

けん玉と空竹が示す、道具を扱う難しさ

展示予定のけん玉とディアボロはいずれも、熟練者が遠隔操作で一度成功させた動きをもとに構築したもの。同社によると、G1を使ったけん玉の検証では、人が介入せずに約1時間動き続け、左右それぞれ約4,000回の成功を確認した。ディアボロは一度の実演から1日で動きを習得したとしている。

こうした数字は、同社が設定した条件で得た結果であり、あらゆる道具や作業現場で同じ性能を保証するものではない。展示では動作だけでなく、再生・調整・補正の仕組みをパネルと映像でも紹介する。成功回数とともに、どんな記録を使い、どの部分を調整したかが技術を理解する手がかりになる。

開発の背景として同社は、ヒューマノイドに関する20社以上への聞き取りを挙げる。歩行やダンスを再生できても、現場固有の道具を使う作業への応用は限られていたという。今回の実演は、身体を動かす能力に加え、道具と動作の関係を扱おうとする試みと位置づけられる。

杭州の会場と、企業向けの提供条件

会場は浙江省杭州市の杭州国際博覧中心二期で、同社の出展場所はロボット特技エリアの26番。発表資料では、22日の開催時間を現地時間午前7時30分~午後7時と案内している。入場には主催者発行の参加証が必要で、一般の人が自由に立ち寄れる展示としては案内されていない。

ソフトウェアの対象は、ヒューマノイドを導入済み、または導入を検討する企業や研究機関。当初の対応機種はG1で、他の機種や双腕・アーム型ロボットへの展開も予定する。GPUを搭載したローカルPCで処理し、動作データは導入企業のPC内で管理して外部には送らないと説明している。

10月19日の発表による料金は、ソフトウェアライセンスが年額500万円、導入・技術サポートが月額300万円から。いずれも税別で、ロボット本体は含まない。収録や再現、操作習得の支援を伴う企業向けのサービスである。

12月には大阪で実機デモを予定

国内では12月2~4日、インテックス大阪の「RoboNext2026」で展示する予定。発表時の小間番号はB-18で、けん玉とディアボロに加え、建築・製造現場への応用デモも案内されている。展示内容は変更される場合がある。

イマクリエイトは2019年設立。熟練者の技をXRやフィジカルAIを通じて人やロボットに伝える技術を開発している。杭州での出展を皮切りに、年内に計5件の実機展示を予定するという。日本で実際の動きを見たい人は、今後の主催者・出展者の案内で入場方法と実演内容を確認してください。

多元ニュース編集部/2026年10月22日
出典:イマクリエイト発表(PR TIMES、10月21日・杭州出展、10月19日・ソフトウェア提供開始)

この記事を共有する