漫画で知った中国の地名を、今の風景と結び付けてみる。そんな読み方ができる『地球の歩き方 キングダム』が、12月17日に発売される予定だ。学研ホールディングスは10月6日、初回限定の特別カバーを公開した。物語の舞台を七つの国に分けて案内し、実在する史跡や現地取材を組み合わせる企画で、漫画を入り口に中国の歴史と地理に触れられる。

函谷関を背景に、信と秦の将軍たちが登場
公開されたカバーには、信とともに桓騎、楊端和、騰、王翦、蒙武が描かれている。舞台となるのは、作中の函谷関防衛をイメージした景観。登場人物を並べるだけでなく、物語の場所を前面に出したデザインになっている。
特別カバーは通常表紙の上に重ねる仕様で、外すと通常版の表紙が現れる。出版社によると、初回限定分の終了後は通常表紙のみの商品に切り替わる。発売直前の予約では付かない可能性もあるため、限定カバーを希望する場合は注文先の案内を確認してください。
七国の位置から、物語を読み直す
地球の歩き方の書籍公式ページによると、エリアガイドは秦・楚・魏・趙・韓・燕・斉の七国別に構成する。現在まで残る史跡や風景を写真で紹介するほか、秦の王都・咸陽と趙の王都・邯鄲を訪ねる現地特集も予定している。
漫画を読みながら、国同士がどこで接し、登場人物がどの方向へ進むのかを地図で確かめる。次に、その土地の現在の写真を見る。こうした往復によって、台詞の中の地名が具体的な距離や地形を持つ場所として見えてくる。作品の展開を追う楽しみに、地理を読む視点が加わりそうだ。
原泰久氏へのインタビュー、原氏にゆかりのある佐賀の特集、時代背景となる中国の歴史や文化の読みものも収録予定。中国の舞台と、日本で物語を生み出す作家の背景を、一冊の中でたどる構成となっている。掲載内容は変更される可能性がある。
2006年に始まった漫画と、旅のガイドが出会う
『キングダム』は、戦乱の時代に生きる少年・信の成長を描く原泰久氏の漫画。集英社の第1巻案内では、単行本の発売日は2006年5月19日となっている。20年を経た2026年に、作品の土地を読むガイドブックが登場することになる。
集英社創業100周年の特設サイトには、佐賀県生まれの原氏が2006年に連載を開始した経歴と、連載初期を振り返るコメントが掲載されている。原氏は、雑誌の最後尾に掲載された第33話が特に記憶に残る回だと説明している。完成した物語を楽しむだけでなく、作者が試行錯誤してきた過程も知ると、今回予定されるインタビューへの関心も深まる。
漫画の場面と、史跡が伝える歴史を分けて楽しむ
中国古代史を実物から考える例が、西安近郊の秦始皇陵と兵馬俑だ。ユネスコの世界遺産資料によれば、同遺産は1987年に登録された。遺産は陝西省西安市の北東、驪山の北麓に位置する。王都や戦場という言葉から一歩進み、現代の地図の上で所在地を確かめると、旅の対象としての輪郭もつかみやすい。兵士や軍馬の造形、武器、車両などは、秦の軍事組織と当時の技術を考える手掛かりとなる。
作品で描かれる人物の感情や会話と、遺物から確認できる事柄は性質が異なる。好きな場面をきっかけに史跡を調べ、その説明と漫画を読み比べれば、創作のおもしろさと歴史研究のおもしろさをそれぞれ味わえる。ここで挙げた世界遺産は背景理解のための例であり、本書の個別掲載先を確認したものではない。
発売は12月17日予定、税込2,530円
本書は地球の歩き方編集室による編集で、A5変型・208ページ、定価2,530円(税込)。電子版も予定している。発行は地球の歩き方、発売はGakken。ISBNは978-4-05-802825-4で、書店やネット書店で予約を受け付けている。
読みたいのが作品の解説なのか、現地の景観なのか、作者へのインタビューなのか。収録予定の内容を見比べると、自分に合う一冊か判断しやすい。予約時は発売日やカバーの有無、紙版と電子版の違いを販売元で確認してください。旅に出る場合には、書籍の情報に加えて、訪問先の開館日や予約方法も最新の案内で確認してください。
出典:学研ホールディングス発表(PR TIMES、2026年10月6日)ほか、本文中の公式資料。
多元ニュース編集部/2026年10月7日



