ダスキンは、ミスタードーナツの中国華東地区での展開を再始動する。現地パートナーが運営する新店舗を、2026年9月28日、上海の大型商業施設「Global Harbor(環球港)」に開く。日本でおなじみのドーナツに上海限定商品を組み合わせ、現地の消費者にブランドを改めて紹介する。ダスキンの9月16日発表

地下鉄駅直結の商業施設に出店
新店舗は、上海市普陀区中山北路3300号、環球港の地下2階に設けるテイクアウト専門店。施設は地下鉄3・4・13号線の金沙江路駅に直結している。開店初日は現地時間11時に営業を開始し、通常の営業時間は10時から22時までを予定する。
ドーナツは25種類をそろえる予定で、飲み物はコーヒーやカフェラテを扱う。上海限定のバナナ風味の商品も登場し、「ポン・デ・バナナ」と「バナナファッション」は各15人民元と発表された。運営会社は2026年末までに計2店舗、2029年末までに計30店舗を目指す。店舗・商品概要

2000年の初進出、2019年の撤退を経て
今回の出店には、上海市場への再挑戦という側面がある。ダスキンの今年1月の開示資料によると、ミスタードーナツは2000年に上海へ進出し、2019年に撤退した。同社は当時の事業を振り返り、中国の経済・社会状況も踏まえて進出方法を見直したという。
新たに採用したのは、シンガポールや香港でも用いるマスターフランチャイズ方式だ。中国側のパートナーは上海美天甜品牌管理有限公司。今回の契約対象となる地域は上海市、浙江省、江蘇省、山東省である。「華東地区第1号店」という位置付けは、この新たな事業展開の起点を意味している。
パートナー企業の董事長・劉澤凱氏は、上海鑫櫻国際貿易有限公司の董事長も兼ねる。ダスキンは、同氏が上海を拠点に雑貨の製造・輸出や日本食店の経営を手掛けていることを挙げ、現地の法規制や商習慣への理解、人的ネットワークに期待を示している。再進出では、ブランドの認知に加え、地域に即した事業運営が重要な要素となる。中国華東地区での契約に関する開示資料
日本で育ったドーナツの特徴を伝える
ミスタードーナツは米国にルーツを持つが、日本で長年改良を重ねてきたブランドでもある。公式の沿革によると、ダスキンは1970年に米国企業との事業提携を決め、翌1971年に日本の第1号店となる箕面ショップを開いた。同じ年には、フランチャイズ加盟店第1号の京橋ショップも開業している。
その後、1973年にフレンチクルーラー、1975年にオールドファッションを発売。店舗網を広げるとともに、異なる生地や食感を持つ商品を増やしてきた。現在の定番商品は、こうした日本での半世紀を超える事業の積み重ねの中で育ってきたものだ。ミスタードーナツの公式沿革
「ポン・デ・リング」を支える食感と形
上海でも扱う「ポン・デ・リング」は、2003年に発売された商品。公式の商品開発紹介では、もちもちした食感を出すために生地の保水力を高めたところ、揚げた際にうまく膨らまないという課題が生じたと説明している。
そこで生地の配合と形を繰り返し見直し、八つの丸をつなげた現在の形にたどり着いた。見た目の特徴は、食感を実現するための開発とも結び付いている。2024年には、もちもち感を保ちつつ、コーティングやトッピングとの相性を考えて風味を改良したという。
今回の上海限定商品からは、こうした定番の生地を土台に、味の組み合わせを広げて現地市場に届けようとする工夫がうかがえる。日本で親しまれてきた食感と上海向けの味が、再進出後の店舗でどのように受け入れられるか注目される。ドーナツの開発・改良に関する公式紹介
多元ニュース編集部/2026年9月23日



