東京・上野動物園で生まれた双子のジャイアントパンダ、シャオシャオとレイレイが、中国・四川省で来園者に姿を見せている。旅日僑網が10月12日、雅安碧峰峡基地で9月29日に一般公開が始まったと伝えた。日本で成長を見守った人にとって、海を渡った後の暮らしを知るニュースだ。上野の公式記録と合わせ、移動の経緯や、日本から今も学べる機会を紹介する。

四川での様子を、写真家が伝える
旅日僑網の記事(出典表示:亜太快訊)は、朝日新聞が12日に報じた写真家・高氏貴博氏の話を紹介している。高氏は10月2日に現地へ赴き、双子と再会したという。シャオシャオの木登りや、レイレイが斜面を移動する様子など、上野時代を思い起こさせる行動が伝えられた。日本で親しまれた個体のその後を、具体的な観察を通して知る内容となっている。
2021年に上野で誕生、今年1月に雅安へ
上野動物園の返還案内によると、2頭は2021年6月23日生まれ。シャオシャオはオス、レイレイはメスで、現在は5歳になる。中国への移動は東京都と中国野生動物保護協会との協定に基づくものだった。
同園の到着報告では、雅安基地に着いたのは1月28日の現地時間午前5時ごろ。上野を出発してから約17時間の輸送を終え、検疫施設に入ったとされる。報告ページには、中国側から提供された検疫施設での写真も追加されており、旅立ちから新生活の始まりまでを確認できる。
輸送の裏側には、飼育情報の引き継ぎ
動物の移動は、飛行機に乗せて終わりではない。上野動物園が3月5日に公開した輸送を振り返る記録によると、出発前には輸送箱に慣れるための訓練を重ねた。機内には中国の専門家と、長く2頭を担当してきた飼育係が同乗し、状態を見守った。
到着後は現地の職員に性格、健康状態、食事内容などを共有し、日本側の担当者も数日間滞在して様子を確かめたという。食べる、休む、周囲を見るといった日常の行動を、移動前後で丁寧につないでいく。公開された姿を見る際にも、こうした飼育の積み重ねを知ると、写真の背景にある仕事へ関心が広がる。
同じ記録には、日本でオンライン募集したメッセージや職員の言葉をアルバムにまとめ、中国の保護研究センターへ届けたことも記されている。飼育の情報とともに、成長を見守ってきた人々の思いも現地に引き継がれた。
上野では10月25日に飼育の歩みを配信予定
日本でもパンダについて知る機会がある。上野動物園は10月25日(日)13時30分~16時に、パンダの日記念講演会「軌跡 リーリー・シンシンと歩んだ15年」を開催する。飼育担当者や獣医師の話を通じて、繁殖研究プロジェクトなどを振り返る企画だ。
公式案内では、東京ズーネットのYouTubeチャンネルで当日のオンライン配信を行い、後日、録画の公開も予定している。会場参加は事前申込制だが、配信は誰でも視聴できるとされている。配信方法などの詳細は改めて案内されるため、開催前に公式ページを確認してください。
10月28日の「パンダの日」は、1972年の同日にランランとカンカンが上野へ来たことにちなむ。個々のパンダの成長と、長年続いてきた飼育・研究の歩みを合わせて知る機会にもなる。
パンダと同じ森の動物にも目を向ける
現在、上野動物園ではジャイアントパンダを飼育していない。一方、西園「パンダのもり」には、中国の高地に暮らすレッサーパンダやキジ類がいる。10月20日~11月1日には、同エリアでスタンプラリーを行う予定だ。内容は小学生向けだが誰でも参加でき、用意したものがなくなり次第終了する。景品の引き換えはない。
東京動物園協会は、ジャイアントパンダ保護サポート基金も継続している。教育普及や飼育環境の改善、保全活動の支援に寄付を活用する仕組みだ。かわいらしい姿を楽しむことから、その動物が暮らす環境や、それを支える人たちの仕事を知ることへ。四川から届いた双子の近況は、そんな関心を広げる入口にもなる。
多元ニュース編集部/2026年10月14日。旅日僑網(10月12日)と上野動物園・東京動物園協会の公式資料を基に構成。



