湖北の若者、「空飛ぶスケートボード」を自作 地域の加工ネットワークが試作支える

宜昌市の工場前で取材に応じる、飛行ボードを製作した宋興宇さん
飛行ボードの製作や操縦について説明する宋興宇さん。画像出典:極目新聞(2026年10月22日)。

湖北省の宋興宇さんが自作した有人飛行ボードが注目を集めている。10月22日の実演と、既製部品や地域の加工技術を活用した開発の背景を紹介する。

中国・湖北省で、個人が自作した有人飛行ボードが注目を集めている。製作したのは、湖北省巴東県出身の宋興宇さん。ネット上では「神奇阿宇」の名で活動する。2026年10月22日には宜昌市の工場で報道陣の立ち会いのもと、短距離の飛行を実演した。

報道陣の前で屋内外の飛行を実演

現地で取材した極目新聞によると、宋さんは屋内でホバリングや旋回、前進を披露した後、屋外でも飛行した。自身が公開した動画に対して「AI合成ではないか」「地上から遠隔操縦しているのではないか」といった疑問が出たことを受け、実演と説明の機会を設けたという。

宜昌市の工場前で取材に応じる、飛行ボードを製作した宋興宇さん
飛行ボードの製作や操縦について説明する宋興宇さん。画像出典:極目新聞(2026年10月22日)。

既製部品と近隣の加工工場を組み合わせる

宋さんによると、電池やモーターは市販品を使い、外装や構造部品の一部は自ら設計・加工した。試作には3Dプリンター、数値制御加工、レーザー切断などを活用。近隣の加工工場に図面を持ち込めば、最短で2〜3時間ほどで部品を受け取れるという。

個人の発想を実物にする過程で、部品を調達できる環境と、設計を短時間で形にする加工現場が役割を果たしている。すべてを一人で製造するのではなく、既製品と自作部品、外部の加工技術を組み合わせた点が、今回の開発の特徴といえる。

宋さんは、機体を自身の体重約70キログラムに合わせて設計し、10基のモーターを搭載したと説明している。総推力は約300キログラム相当、現行仕様の飛行時間は約16分としているが、これらは本人が取材に答えた数値であり、独立した性能試験の結果ではない。

一般向け商品ではなく、訓練を伴うスポーツ装備

操縦については、手元の装置でモーターの回転数などを調整し、搭乗者の身体感覚と姿勢でバランスを取ると説明した。操作には体力と十分な訓練が必要で、バランスを崩せば転落する危険があるとして、一般消費者向けの商品ではなく、翼装飛行などに近いエクストリームスポーツ用の装備と位置づけている。

今回の短距離実演だけで、長時間の飛行や幅広い環境での安全性が確認されたわけではない。個人の試作が注目を集める一方、将来の利用に向けては安全性の検証や、飛行場所・条件に応じた法令の確認が必要になる。

宋さんは今後、安全性や使いやすさを高めるとともに、高速仕様や長時間飛行に向けた開発も検討しているという。個人の試行錯誤と、それを支える部品供給・加工のネットワークが、次の改良にどうつながるかが注目される。

出典:極目新聞(2026年10月22日、現地実演と本人インタビュー)、界面新聞(2026年10月23日)。各社報道に基づき多元ニュースが構成。

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