湖畔の散策や歴史ある街並みに、ロボットと触れ合う体験が加わっている。中国新聞網は10月8日、浙江省の国慶節連休を取材し、杭州での人型ロボットの街頭試験や、観光客が参加する技術体験を伝えた。観光の舞台にもなる街で、機械に何ができ、人がどう関わるのかを知る機会が増えている。

街頭試験と湖の保全、用途はさまざま
同紙の曹丹記者によると、云深処科技(DEEP Robotics)の人型ロボットは、交通誘導や秩序維持、観光案内などの機能を街頭で試験した。西湖では、地元警察と中国科学院自動化研究所が開発した魚型ロボット「西湖青魚」が水域での業務に投入されたという。記事では水質センサーや水中での物品探索など、観光地を支える機能も紹介されている。
文三のデジタル生活街区では、ロボットサッカーなどに来場者が参加する催しが行われた。今回伝えられた街頭での試験、湖での業務、連休の体験イベントは、それぞれ目的も実施形態も異なる。出典:中国新聞網、2026年10月8日。
屋外で動くための設計にも注目
人型ロボットを街で使うには、動作の見栄えだけでなく環境への対応が問われる。技術的な背景として、DEEP Roboticsが公表している人型機「DR02」の製品資料を見ると、同社は本体の防じん・防水性能をIP66、作動温度をマイナス20度から55度としている。
腕や脚などの部品を交換しやすくする構造も特徴に挙げる。故障時に長く停止させず、保守しながら使い続けることを想定した設計だ。これらはメーカー公表の仕様であり、今回の街頭試験の成績や、あらゆる天候下での安全性を示す実測結果ではない。機種の仕様と現場での運用結果を分けて見ると、技術の進展を具体的に理解できる。資料:DEEP Robotics「DR02」。
電子機器の街から、触って学ぶ場所へ
文三の技術体験は連休だけの話題ではない。杭州市の英文公式サイトは2026年2月、かつて電子機器の販売で知られた一帯が、製品を展示し、試して、購入する場へ変化していると紹介した。体験センターにはAI眼鏡、撮影用の飛行機器、会話するロボット、身につける外骨格装置などが登場する。
画面越しに動画を見る場合と、自分で眼鏡を装着して表示や操作を確かめる場合では、分かることが違う。旅行中の立ち寄り先としても、機器が反応する速さ、使い方の分かりやすさなど、生活の目線から技術を観察できる場所となる。公式サイトは海外からの団体客の訪問も伝えている。出典:杭州市英文サイト、2026年2月14日。
ロボットにも仕事を覚える訓練
実際の仕事につなげる取り組みも進む。デジタル中国建設サミット公式サイトが7月に紹介した杭州の「ロボット学校」は、浙江大学のロボット研究機関などが共同で設立したもの。最初のクラスには製造、サービス、警備、娯楽分野などの30台が入り、検査、専門訓練、実地評価を受ける仕組みとされる。
工場や博物館、地域社会といった異なる場所で働くため、知覚や移動、実際の操作などを学習内容に含めている。街頭で役立つロボットを目指すには、機体を完成させるだけでなく、使う場所や仕事に合う訓練が必要になることがうかがえる。資料:デジタル中国建設サミット公式サイト、2026年7月3日。
西湖の風景と、街の新しい姿を一緒に
西湖は、湖と周囲の丘、堤、島、寺院や庭園が組み合わさる文化的景観として知られる。ユネスコは、その景観が中国だけでなく日本や韓国の庭園の意匠にも影響したと説明している。自然を眺める場所であると同時に、人が長く手を加えてきた風景でもある。資料:ユネスコ世界遺産センター。
同センターの説明では、湖の堤や島は長い浚渫の歴史とも結び付いている。水辺の景観を維持する営みを知ると、水中の状況を調べる技術も、名所の見えない部分を支える取り組みとして捉えられる。
杭州を訪れるなら、湖畔の景観を味わう時間と、技術体験施設で街の現在を知る時間を組み合わせられる。連休限定の催しや街頭試験を常設展示と考えず、訪問前に各施設の営業日、予約条件、体験できる内容を確認してください。
多元ニュース編集部/2026年10月10日。中国新聞網の報道と各機関の公開資料を基に構成。



