旅先のホテルに合わせて動く代わりに、寝る場所も一緒に運ぶ。中国の国慶節連休に、キャンピングカーを借りて長距離を旅する若い家族が増えていると、旅日僑網が10月6日に伝えた。掲載元は中国中央テレビのニュースで、現地のレンタル店や利用者の様子を紹介している。日本でも身近になった「くるま旅」を、中国の動きと比べて考えてみたい。

近場のキャンプから、一週間の長距離旅行へ
旅日僑網の記事が取り上げた杭州のレンタル店では、従来の主な利用者だった55~65歳の層に加え、1990年代生まれの家族が目立つようになったという。周辺での短期利用から省をまたぐ旅行へと需要が広がり、この連休の平均レンタル期間は7日間に延びたと店側は説明している。
記事で紹介された家族は、ホテルのチェックアウト時刻に縛られにくい点を理由に挙げている。子どもや高齢の家族と一緒に移動するとき、休む時間を自分たちで調整しやすいことが選択につながっている。ただし、これらは取材先の事例であり、中国の若者全体の旅行スタイルを示す全国調査ではない。
車両だけでなく、泊まる場所も整える
こうした旅行を支える仕組みとして、中国では車両の供給と滞在環境を一緒に整える施策が進められている。文化・観光部の9月18日付発表によると、国務院弁公庁は同月13日、10部門によるキャンピングカー消費促進の措置を転送した。
発表が挙げる項目には、車両の品質向上、通行と停車、キャンプ場整備、観光商品の充実、レンタルサービス、安全管理などが含まれる。購入時だけを対象とせず、走る、停める、泊まるという旅行全体を支える内容だ。施策の発表と各地でのサービスの利用開始は同じではないため、利用者は個々の施設や事業者の案内を確認する必要がある。
車にベッドがあっても、行きたい場所に安心して滞在できるとは限らない。車両の設備と、その外側にある水や電源、トイレ、ごみ処理の仕組みを組み合わせて初めて、数日間の旅行が成り立つ。
日本のRVパークとの共通点
日本で比較の手掛かりになるのは、日本RV協会が認定するRVパークだ。協会は、定められた条件を満たす車中泊スペースとして案内している。認定の条件には、余裕のある駐車区画、24時間利用できるトイレ、100V電源、ごみ処理、近隣の入浴施設などがある。
この仕組みから分かるのは、車中泊の快適さが車の広さだけでは決まらないということだ。夜間にトイレを使えるか、必要な電源があるか、翌日にごみを持ち越さずに済むか。施設を選ぶ際には、景色に加えてこうした生活の条件も見ておくと、自分たちに合う旅行を考えやすくなる。
借りて試す場合も、旅全体の条件を確認
日本RV協会のレンタル事業紹介では、購入以外にもレンタルやシェアリングなどの利用形態があることを説明し、地区別の会員レンタル事業者一覧を案内している。興味を持った人にとって、必要な期間だけ借りる方法は、暮らし方と車内空間の相性を考える選択肢となる。
比較するときは、車両料金だけでなく、宿泊予定地の利用料金、移動距離、借りる場所と返す場所、使える設備を確認してください。大人数で乗れることと、全員が無理なく眠れることも別の条件だ。中国の取材例をそのまま自分の旅程に当てはめず、国内で試す場合も利用先ごとの説明を読むことが大切になる。
自由な旅を支える、停車場所での配慮
日本RV協会のマナー案内は、道の駅や高速道路のサービスエリアなどを宿泊施設の代わりに長く占有しないこと、車外にいすや調理器具を広げてキャンプ場のように使わないことを呼びかけている。電源の無断利用や排水の垂れ流しを避けることも挙げている。
自分のペースで移動できる魅力は、受け入れる施設や地域のルールと両立してこそ続く。中国の若い家族の事例は、観光名所を何カ所回るかだけでなく、移動中も含めて家族や仲間とどう過ごすかを考える材料になりそうだ。
多元ニュース編集部/2026年10月7日。旅日僑網2026年10月6日付記事(掲載元:中国中央テレビニュース)を起点に、日中の公式資料を補った紹介記事。



