スマートフォンをかざすと、大会での記憶につながるメダル。中国・長春で2027年1月に開かれる第33回冬季ユニバーシアードの準備が進んでいる。旅日僑網は10月8日、中新社の記事を掲載し、開幕100日前の7日に聖火トーチやメダルなどが発表されたと伝えた。競技だけでなく、街の歴史を表すデザインにも見どころがある。

メダルがつなぐ、表彰台と開催都市の記憶
メダルの名称は「吉夢」。旅日僑網掲載の記事によると、表面は氷上や雪上に残る競技の軌跡を発想の源とし、裏面には長春地域の遺跡から出土した玉製の鳥に着想を得た意匠を用いる。吉林の松花石をはめ込み、天然の模様の違いも生かすという。
さらにNFCチップを内蔵し、選手がスマートフォンで触れると、表彰の場面や長春の四季などのデジタル資料を見られる仕組みが紹介された。金属の記念品に都市の情報を重ねる試みとして、デザインやデジタル表現に関心のある読者にも興味深い。出典:旅日僑網、2026年10月8日掲載/配信元・中新社。
花、映画、自動車をトーチの意匠に
国際大学スポーツ連盟(FISU)が10月8日に公表した説明では、トーチ「吉翔」は長春の市花であるクンシランが開こうとする姿を基にしている。上部には映画のフィルムと12競技の図柄、底部には自動車のホイールを思わせる模様を取り入れた。雪と氷の競技に、映画や自動車産業という街の個性を重ねている。
高さは711ミリで、長春市街地の最高標高にちなむという。耐熱合金のほか、一部に吉林で開発された炭素繊維複合材料を使用する。同日にはイタリアのトリノ大学で採火式が行われた。前回の冬季大会を開いた都市から、次の開催地へと「知識の炎」がつながる。出典:FISU、2026年10月8日。
日本はアイスホッケー、カーリングにも
大会は2027年1月15日から25日まで、中国東北部の吉林省で開催される。FISUの開催決定時の案内には、長春の施設に加え、浄月潭、松花、北大湖のスキーリゾートが挙げられている。競技とともに、文化・教育活動も予定する学生アスリートの国際大会だ。資料:FISUの開催決定発表。
日本の読者に身近なのは、出場枠が発表されているチーム競技だ。FISUが8月21日に示した選出チーム一覧には、アイスホッケーの男女、カーリングの男女と混合ダブルスのすべてで日本が入っている。日本の学生世代が、同年代の海外選手と戦う舞台として追いかけられる。
一覧は出場チームの選定結果であり、個々の代表選手名や対戦日程の発表とは別の情報だ。辞退があった場合は補欠チームを繰り上げる仕組みも示されている。出典:FISUのアイスホッケー・カーリング選出チーム一覧。
学生大会から、その先の活躍を知る
冬季ユニバーシアードは、後に大きな国際大会で活躍する選手を知る場にもなってきた。FISUのスノーボード紹介によれば、オーストリアのアレッサンドロ・ヘンメルレは2015年大会のスノーボードクロスで銀メダルを獲得し、2022年北京冬季五輪では同種目で金メダルに輝いた。
スペインのケラルト・カステリェトも2015年大会のハーフパイプで銀メダルを獲得し、北京冬季五輪で同じく銀メダルを手にしている。結果だけでなく、選手が大学時代にどのような経験を積んだかをたどると、観戦の楽しみが広がる。資料:FISU「Snowboard」。
同連盟によると、スノーボードが冬季ユニバーシアードに初めて登場したのは1995年のスペイン・ハカ大会で、当時は公開競技だった。初回は10カ国から29人が参加。その後、大会で扱う種目も広がった。学生スポーツの大会をたどることは、競技そのものが国際的に普及してきた歴史を知ることにもつながる。
大会のニュースは、メダルやトーチのデザイン、日本の学生選手、開催都市の文化という複数の入口から楽しめる。今後の競技日程や観戦・配信情報は、大会公式サイトとFISUの発表で最新情報を確認してください。
多元ニュース編集部/2026年10月10日。旅日僑網掲載の中新社記事とFISU公式資料を基に構成。



