香港の中秋節に南京の灯彩 大坑の火龍舞は9月24~26日

観客が集まる香港・大坑の街路で、線香の光をまとった火龍を大勢の担ぎ手が動かす様子

香港の中秋節を彩る南京の伝統工芸「秦淮灯彩」と、9月24~26日に予定される「大坑舞火龍」。ランタン製作の技法や地域の安寧を願う祭礼の歴史とともに、ビクトリア・パークの展示ごとに異なる会期、点灯時間、アクセス、旅行者向け観覧登録を紹介します。

香港・大坑の街路で、線香の光をまとった火龍を大勢の担ぎ手が動かす様子
大坑舞火龍の紹介写真。2026年の開催に先立つ発表資料から。写真提供:香港政府観光局/PR TIMES

香港の中秋節に合わせ、南京の伝統ランタン工芸と、香港の街に受け継がれる火龍舞を紹介する催しが行われる。香港政府観光局が2026年9月2日に発表したもので、ビクトリア・パークの「国際ランタン・スペクタキュラー」と、9月24~26日の「大坑舞火龍」が柱となる。

中秋節は旧暦8月15日の行事。家族が集まり、月餅を分け合いながら月を眺める習慣がある。今年の香港では、公園の展示と地域の祭礼を通じて、工芸品を作る技術と、人々が集まって祝う文化の両方に触れられる。香港政府観光局の中秋節案内では、市内各地の関連企画も紹介している。

南京と香港の手仕事が公園で出会う

初開催の国際ランタン・スペクタキュラーは「再会」をテーマに据える。発表によると、世界のランタンを集めるエリアには20の国と地域から3,000個以上が並ぶ。南京の秦淮灯彩の製作チームによる大型作品に加え、香港の職人が作った400点を超すランタンも展示。ウサギや金魚など、地元で親しまれてきた形が会場を彩る。

食文化も今回の企画の一つに位置付けられた。9月17~20日を会期とした月餅販売は、蘇州式や雲南ハムを使ったものなどを紹介し、売上金を慈善団体の保良局に寄付する計画だった。月餅の販売期間は既に終了している。企画の発表元は香港政府観光局の9月2日付プレスリリース(PR TIMES)。

秦淮灯彩を支える、複数の工芸技術

秦淮灯彩は「金陵灯彩」「南京灯彩」とも呼ばれる南京地域の民間芸術だ。中国非物質文化遺産デジタル博物館の解説によると、この地域では東晋時代に既に灯彩に関する文献記録があった。

特徴は、紙を使った立体造形に、絵画、書、切り紙、刺繍などの表現を組み合わせる点にある。製作にも木工、彩色、編み組みなど多様な技法を取り入れる。蓮や獅子といった伝統的な題材だけでなく、近現代には船やロケット、都市の景観を表す作品へと広がってきた。今回の鑑賞でも、光の色に加えて、輪郭の作り方や立体の重なりに目を向けると、装飾を支える手仕事を想像する手がかりになる。

大坑の火龍舞、地域の安寧を願う祭礼

大坑(タイハン)の火龍舞は、100年以上続く地域の行事である。香港の無形文化遺産事務所によると、大坑はもともと客家の村だった。1880年に疫病が発生した際、住民が災厄を払おうと龍を作り、線香を差して村内を巡ったという伝承が残る。

旧暦8月14~16日の3夜に行う祭礼として受け継がれ、2011年には中国の国家級無形文化遺産名録に登録された。火龍の姿の背景には、地域の平穏を祈り、住民が共に行事を担ってきた歴史がある。今年は全長67メートルの龍に約1万2,000本の線香をまとわせ、300人以上が演じる予定で、子どもたちによる小型のLEDの龍も登場する。

ランタンは展示ごとに終了日が異なる

来場時には会期の違いに注意したい。9月22日時点の公式個別案内では、高さ8メートルのガジュマルを表現した「Shadowlight」と「Moonlit Lotus」は9月27日まで。一方、世界のランタンを並べた通りと香港ランタン・ギャラリアなどは10月4日までとなっている。

入場は無料。点灯は18時30分~23時で、9月25日は24時まで延長する。会場は香港島のビクトリア・パークで、MTR天后駅A2出口または銅鑼湾駅E出口からアクセスできる。「Shadowlight」は第1サッカー場、世界のランタンを並べた通りはモデルボート池付近、香港ランタン・ギャラリアはヒル・ノール・パビリオンに設けられる。見たい作品の場所と会期を確かめてから園内を巡るとよい。

火龍舞の時間と観覧登録

火龍舞は9月24・26日が19~22時、25日が19~23時30分。主な会場は大坑地区で、公式案内は浣紗街を観覧場所として挙げている。25日は22時30分からビクトリア・パークでも主要演目を行う予定だ。記事中の時間はすべて香港現地時間。日本から旅程を組む場合も、現地での移動時間を含めて計画したい。

旅行者専用の観覧エリアは席数限定の先着順で、9月19日から香港国際空港、尖沙咀、西九龍駅にある香港政府観光局のビジターセンターで登録を受け付ける。有効な渡航書類の提示が必要となる。混雑時には人流規制が行われるため、現場の誘導に従ってください。観覧方法や日程の変更は、出発前に火龍舞の公式案内で最新情報を確認してください。

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